大切な言葉
訪問美容を始めた当初から
毎月欠かさず指名してくださるお客さまがいらっしゃいます。
初めて出会ったのはその方が80歳の時でした。
いつも綺麗なボブスタイルには拘りがあり、センスのいいお召し物は必ずスカートでした。
薔薇の花が好きで音楽が好きでショッピングやカフェが好き。
優雅だけどお茶目な方。
こんな風に素敵に年を取れたらいいな~と憧れのお客様です✨
2年前のある日
転倒、骨折、入院をきっかけに認知症を発症し
久々にお会いした時は
虚ろな眼差しとオムツとパジャマのズボン姿…
いつものお茶目な笑顔は無くなっていました。
私のことも何者かわからないようですが、鏡の前に座ると
「櫛をかして」
と言って、上がらない右腕で櫛を持ち
「こうしてね」
といつもの様にご自分に一番似合う型を指示してくださいました。
「もう10年以上やらせてもらってますから承知してますよ!^ ^」
と言うとちょっと思い出してくれる時もありました。
それから調子が良くなったり悪くなったり
お会い出来ない月もあったり…
先月お伺いした時のこと
「櫛を貸して」と髪を整えながら
92歳になられたその方は
「死ぬまで、きれいでいたいの」
と少し微笑んで仰いました。
最後まで
いつかご家族に見送られるその日まで
綺麗でいましょうね。
これからも私を育ててくださるお客様のそんな素敵な言葉を書き留めていきたいと思います。
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